シュガーロード紀行 嬉野#004 あめがたやのあめがた
豊玉姫神社参道のすぐそばにあるのがあめがたや。
このお店では「あめがた」と呼ばれる飴を昔ながらの製法で製造している。あめがた以外にも、店内にはおこし・黒棒・豆菓子など、昔ながらの色々なお菓子が並ぶ。
ここでは嬉野らしいお茶の飴と、あめがたを購入した。
お茶飴は金太郎飴方式で白い飴を使って「茶」の文字が描かれている。散策の途中でちょっと小腹が空いたのでさっそく食べたが、濃いお茶の風味がしておいしかった。
これがあめがた。
見た目は、白くて平べったく、1つが3cm×15cmくらいの短冊形で、外側はくっつかないようにオブラートで包んである。
昔は米ぬかを使ってあめがくっつかないようにしていたらしい。(佐賀市の徳永飴本舗などでは、今でも米ぬかに入れたあめがたを販売している。)
原材料の表記を見ると、麦芽水飴と黒糖だけ!
(あめがたを切りわけた時に断面を見ると、黒糖は飴の中央にちょこっと入っていた。)
麦芽水飴は、麦芽糖とモチ米を煮てつくられる。調べてみたら家庭でもこうやって作れるらしい。
麦芽水飴の作り方 (大麦編)
麦芽水飴に空気を含ませながら時間をかけてよく練っていくことで真っ白い色になる。
米も麦も、昔から佐賀平野で盛んに栽培されてきた作物なので、あめがたは佐賀平野のめぐみを凝縮したお菓子と言ってもいいかもしれない。
「肥前の菓子」を読むと、モチ米由来の飴は、おこしなどの米菓子と同じく稲作の盛んだった中国南部より伝播したと考えられる。
日本でも古くから作られていて9世紀頃の書物にはすでに記載があると書かれている。南蛮貿易により日本に入ってきた砂糖よりも、ずっと昔からあった甘味料だった。
また、七五三のときに神社で貰う千歳飴はこのあめがたと同じモチ米の飴。
言われてみれば色や見た目が確かに似ている。
あめがたはそのまま口に入れるのは大きすぎるので、包丁で切り分けて食べる。
切り分けるときはまあまあ固かったが、口に入れるとすぐに柔らかくなるので想像していたよりも食べやすい。穏やかな甘さが口いっぱいに広がる。
ビタミンやミネラルが豊富なので、産後のお母さんが滋養をつけるためにもよく食べられたらしい。
(来訪日:2017/11/26)
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