シュガーロード紀行 佐賀#004 伊勢神社
長崎街道は、現在の佐賀市中心部を東西に横切る形で通っていた。
佐賀市は戦時中に大規模な空襲に遭わなかったこともさいわいして、長崎街道の道筋をほぼ当時のまま辿ることができる。
今回は市中心部の西側、伊勢神社付近の長崎街道を歩いてみたいと思う。
側溝の蓋にはこんなシルエットが。この側溝の蓋は長崎街道に沿って設置されているので、これを目印にしながら歩くと辿りやすい。
こちらが伊勢神社。
鳥居は肥前鳥居と呼ばれる佐賀地方に多く見られる形のもの。
この神社は伊勢神宮の分社として1542年に今の神埼市にあたる場所に建立されたが、藩祖 鍋島直茂公により現在の場所に移された。
伊勢神社の公式HP によると、
日本で唯一伊勢神宮より破格の恩恵を受け分霊を勧請することのできたお社です。
とある。確かに「諏訪神社」や「住吉神社」と名の付く神社は全国各地にあるが、伊勢神宮はそうではない。(調べてみたら岡山には「伊勢神社」が存在する模様。)
その名は広く知られ、江戸時代には平戸や五島からも参拝者が訪れたらしい。
昔は離島から船で海を渡り、何日もかけて徒歩で参拝しただろうから、いかに本社のお伊勢様に比べれば格段に近いとはいえ、その道のりを想像するととても大変だっただろうと思う。
神社の塀には長崎街道についての説明を書いた看板も設置されている。
境内には肥前狛犬もある。
長い時間を経て摩滅したのか、もともとデフォルメされた形状だったのか、小さくて丸っこい。
威圧感をまったく感じない、むしろかわいらしささえ感じるめずらしい狛犬だった。
ところでこの付近の長崎街道はカクカクと頻繁に折れ曲がっている。
伊勢神社の前の道も直角に曲がっているため、神社が角地に建っている。
あえて街道の見通しを悪くすることで、万一敵に攻め込まれた際の防衛力を高める狙いがあったのだろう。
伊勢神社のそばの道の曲がり角には江戸時代の石の道標も残っている。
筆書きっぽいゆびさしマークと「ながさき」の文字が彫られている。
別の面には「こくら」と刻まれている。
(来訪日:2018/04/22)
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