シュガーロード紀行 大村#006 大村寿司

シュガーロード紀行 大村#006 大村寿司

せっかく大村に来たので名物の大村寿司を食べたい。

大村公園から駅方面へ戻り、「やまと」というお店へ。
お店があるのは鶴亀橋のすぐそば。


このお店は明治期の創業とのこと。
店内は広めで、テーブル席とお座敷席があり家族連れで賑わっている。


大村寿司の起源にも大村氏が関係している。

1474年(文明6年)、島原半島の領主有馬貴純が大村領に侵攻した。当時大村を支配していた大村氏の当主大村純伊は大敗して松浦郡加唐島(現佐賀県唐津市)に逃れ、後に少弐氏等の支援を得て反攻、1480年(文明12年)に大村に帰還することができた。

この時、領主の帰還を喜んだ領民らが歓迎のために食事を振舞おうとしたが食器が足らず、浅い木箱(もろぶた)に炊きたての米飯を広げて魚の切り身や野菜のみじん切りなどを乗せ、さらにそれを挟むように飯や具を乗せた押し寿司を作り、兵が脇差しでこれを四角に切って食べたのが現在の大村寿司の発祥とされている。
Wikipedia「大村寿司」


酢飯の上に具を重ね、錦糸卵で飾ったものを切り分けて供する。切り分けてあるので食べやすい。
具材は各家庭やお店でそれぞれ違うらしい。

このやまとの大村寿司には、刻んだ奈良漬けも入っていてちょっと珍しいなと思った。


後で知ったが、佐賀の白石地区にも由来や形状の似た「須古寿司」というのもがあるそう。

領民たちが領主に感謝の気持ちを込め、その場にある材料でつくったのが始まりだと言われている。須古地区では、お祝い事や祭り事に今も欠かせない郷土料理だ。

もち米を1割ほど入れて炊いたごはんで酢飯をつくり、『もろぶた』と呼ばれる木の箱に詰める。詰められた酢飯をほぼ正方形に等分し、具材を順番にのせていく。塩味と歯ごたえが小気味いい奈良漬け、甘辛く味付けされた椎茸・ゴボウ、むつごろうの甘露煮、エビ、紅しょうが、カマボコ、デンブ、錦糸卵など彩りも華やか。少しもちもち感のある酢飯と、具材それぞれが持つ味や食感がいい具合にからみあい、口の中に広がる。

須古寿司 | 九州の味とともに 春 | 霧島酒造株式会社

よく似ているが、大村寿司は刻んだ具材をご飯でサンドするのに対して、須古寿司はご飯の上に具材を載せる点が異なる。
また、むつごろうが具材なのも有明海沿岸の地域の特色が出ている。

(来訪日:2017/07/16)