シュガーロード紀行 嬉野#002 瑞光寺

シュガーロード紀行 嬉野#002 瑞光寺

瑞光寺は室町時代に開山されたお寺。
以前は別の場所にあったが、1400年代後半に現在の場所に移されたそう。

「九州文化図録選書2 肥前佐賀路」を読むと以下のような記載がある。

江戸時代、この近辺の主要な宿場は牛津だったので、参勤交代の大名行列は牛津で宿泊し、嬉野はそのまま通り過ぎるか小休憩を取る為に立ち寄る程度だった。
しかしある時大火で牛津の宿場の大半が焼けてしまう。それ以降、牛津のかわりに嬉野が宿場として利用されることが多くなった。

嬉野にも大名が宿泊する際に本陣として使われる宿が一応あることはあったが、手狭だったり建物の傷みがひどいなどの理由で、瑞光寺が本陣として使用されるようになった、とのこと。

本陣として使われただけあって、境内は広い。
これは山門の中に立つ石の仁王像。

正直、あまり怖い感じがしない仁王様。むしろどこか親しみの湧く表情。後ろにひるがえった衣の曲線も石を彫って作ったとは思えないようなやわらかさが感じられる。(あと、乳首がお花型…。)

たぶんここは池だったのだろう。水は枯れてなくなっていた。

この境内では様々な石の細工が見られる。
鍋島家の家紋をかたどった石の装飾もあった。(上の写真では影になってしまったが、まるい部分)

こんなかわいい像も。童子の像だろうか。あまり見ない感じの装飾だと思う。

そして楠の巨木。樹齢800年以上あるらしい。

紅葉の時期だったので色づいた銀杏も綺麗だった。

瑞光寺からやや離れた嬉野の街の中に、六地蔵が建てられている。
ここが最初に瑞光寺があった場所だそう。

近所の人が掛けたのであろう前掛けがかわいい。

「六地蔵」というと、六体のお地蔵さまが横並びに一列に並んだものを思い浮かべるが、この六地蔵は1つの柱に六方向を向いたお地蔵さまが彫られていて珍しい。
こういった形の六地蔵は佐賀や長崎に多くあるらしい。

(来訪日:2017/11/26)



長崎街道 肥前佐賀路 (九州文化図録撰書 (2))