シュガーロード紀行 平戸#002 松浦史料博物館

シュガーロード紀行 平戸#002 松浦史料博物館

松浦史料博物館を訪れる。

やや高台にあり入り口にはオランダ国旗とイギリス国旗が掲げられている。

この場所には、平戸がこれらの国と交易を行っていた時代には藩主の邸宅があり、オランダやイギリスの要人も訪れたとのことで、こうして国旗が掲げられているらしい。

松浦史料博物館は、昭和30年(1955)10月西海国立公園の指定と前後し、松浦家39代陞(すすむ)氏により資料等を寄贈され設立されました。建物は鶴ヶ峰邸と称して明治26年(1893)に建てられた当主の私邸であったものです。

-松浦史料博物館のパンフレットより-

資料館の入り口で靴を脱ぎ、スリッパに履き替えて見学する。

展示物は、松浦家に代々伝わる武具や茶道具、書物や絵画などさまざま。

課外授業で来たらしい小学生の一団が見学していたが、引率の先生の解説がとても分かりやすいのでちょっと離れたところからこっそり聴いていた。
平戸出身の生月鯨太左衛門という力士(身長が2m以上あったらしい)についての解説は小学生たちも興味津々で聴いていた模様。
Wikipedia 生月鯨太左衛門 

伊能忠敬が制作した平戸の地図もあった。
「伊能九州図と平戸街道」を読むと、これは9代目藩主静山が伊能忠敬と懇意だったこともあって特別に譲り受けたものらしい。静山は「甲子夜話」の作者としても有名。甲子夜話も勿論展示してあった。

江戸時代の参勤交代の道のりを詳細に描いた絵図もあった。
平戸藩が参勤交代を行う際は、平戸を出発し、玄界灘、瀬戸内海を通って大阪までの海上を船で行き、大阪の伏見に上陸後は陸路で江戸へ向かったそう。
のちに陸路のみでの参勤交代が行われるようになり、その際には平戸街道、長崎街道が使われたとのこと。

他にちょっと面白いなと思ったのは、甲冑の横に飾ってあった大きな馬印。球を3つ縦に連ねてあって、見た目がまるで巨大な串団子のようにも見えた。

松浦氏の家紋は三ツ星というそうだが、これも見方によってはお団子を3つ並べたようにも見える。

展示物を見終わって、売店で「江戸時代の平戸の菓子」という本と伊能図の平戸の地図の絵はがきを購入する。

展示物は勿論だけど、建物自体も趣があるいい資料館だった。

松浦史料博物館 HP 

(来訪日:2017/09/08)


平戸街道 江迎筋と御厨筋 平戸藩旧蔵絵図収録 (九州文化図録撰書)