シュガーロード紀行 長崎#006 興福寺

シュガーロード紀行 長崎#006 興福寺

”寺町”と呼ばれる、その名の通りお寺が密集しているエリアにある、明から渡来したお坊さんが開いた日本最古の唐寺。

唐寺の赤い色は長崎の街中でもひときわ目を惹く。ここの門も朱塗り。
普段は神社仏閣に全く興味がない人でも、こんな鮮やかな門の前を通りかかったら、足を止めずにはいられないだろうし、中に入ってしまうと思う。


以下はお寺で頂いたしおりよりの抜粋。

「興福寺は、国内最初の黄檗禅宗(おうばくぜんしゅう)の唐寺でその由来は古く、中国・明の商人が長崎と行き来を始めた頃に渡来した中国人が、一六二〇年ごろ航海安全を祈願してこの地に小庵を造ったことに始まります。
この時代は、幕府のキリスト教禁令が厳しく、長崎在住の中国人にもキリシタンの疑いがかかったため、仏教徒であることを証明するためにも、崇福寺、福済寺、聖福寺など、つぎつぎと唐寺が建てられたといわれます。」

お祀りしてあるのは黄檗宗の開祖である隠元禅師や関帝様、媽祖様など。

白あんの原料になる”いんげん豆”は、隠元禅師が日本に伝えたのでこの名で呼ばれることになったそう。
日本に白あんを使った色々な菓子が生まれたのも、隠元禅師のおかげと言えるだろう。


お寺の境内ではためく五色の吹き流し。


軒先に吊り下げられた魚型の板。ご飯の時間にこれを叩いて知らせるらしい。
叩かれ過ぎたのかお腹の部分がえぐれている。

中国風の建築や蘇鉄に囲まれていると、ここは日本ではない異国のように感じる。


ちょうど紫陽花の咲く時期だったので、境内にも至る所に紫陽花の鉢植えが飾られていた。


門の赤い色と紫陽花の水色のコントラストが一層美しい。

(来訪日:2017/06/04)