シュガーロード紀行 熊本#002 加藤清正と朝鮮飴(長生飴)
加勢以多と並んで熊本に古くからあるお菓子として挙げておきたいのが朝鮮飴。
朝鮮飴(ちょうせんあめ)は、江戸時代から受け継がれる熊本県の伝統銘菓である。
求肥飴の一種とされる。餅米と水飴と砂糖を独自の製法でこね合わせて長方形に型切りし片栗粉をまぶしている。上品な甘さともちもちした食感を持つ滋養豊かで日持ちする和菓子である。安土桃山時代、老舗園田屋の開祖である園田武衛門により造られていた当初は、長生飴または肥後飴と呼ばれていた。
文禄・慶長の役が起きると、肥後国の城主であった加藤清正がこの飴を兵糧目録に入れて朝鮮半島へ出兵し、長期の携行でも風味が損なわれず兵士達の英気を養うのに大いに役立った事から、以後は朝鮮飴と呼ばれるようになったという。(中略)
江戸時代中期までは肥後藩が買い上げる御用物とされ、製法も管理されて一般への流通は許されていなかった。代々の肥後藩主は朝鮮飴を江戸幕府と朝廷への献上品、または諸大名への贈答品としても用いていた。
加勢以多は細川忠興ゆかりのお菓子だったが、こちらは加藤清正ゆかりのお菓子と言える。
朝鮮飴はWikipediaの解説にも名前が出てくる園田屋さんが一番の老舗とのこと、現在のご店主で19代目になるそう。2018年には115年ぶりの新商品「れもん飴」を発売したことで話題になっていた。
ということで園田屋さんに朝鮮飴を買いに行ってみる。
が、閉まっていた…。
どうやら訪れた日は定休日だった模様。建物だけ写真に納めたが、周囲にビルが建ち並ぶ街中で古めかしい日本家屋の店舗がひときわ目を惹いた。
商品は帰り際に立ち寄った熊本駅のお土産売り場で売られているのを見つけて無事に入手できた。
箱には加藤家の家紋である蛇の目紋・桔梗紋と熊本城の絵が描かれいる。
写真では真っ白に写ってしまってるのでわかりづらいが、箱を開けるとかたくり粉に覆われた朝鮮飴がみっちり詰まっている。
粉を払い落とすとこんな感じ。やや黄色味を帯びた求肥のお餅が一口大の大きさに切り分けられている。食べてみると柔らかで大変美味しい。口に広がるやさしい甘みは確かに飴を思わせる。
ボンタンアメにも似た食感だと思ったが、実はボンタンアメは朝鮮飴から着想を得て作られた経緯があるらしい。
(来訪日:2019/06/23)
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