シュガーロード紀行 平戸#006 熊屋の牛蒡餅
平戸の老舗菓子店巡り、蔦屋に続き訪れたのは熊屋。
こちらは1762年(宝暦12年)の創業。
お店の看板や暖簾には臼と杵を図案化した模様が描かれている。
店内には和菓子だけではなく洋菓子も並んでいる。
カスドースもあった。(ただし熊屋さんのカスドースは「カスポール」という商品名で販売されている。)
ここでは「牛蒡餅」を購入する。
平戸藩の藩主鎮信公を始祖とする茶道鎮信流の茶菓子として、又一般町家の人々も慶事・法事の際には、必ずと言っていい程牛蒡餅を「お配り菓子」に使うという風習があり、平戸にのみ昔のままの姿で残されて来たものでございます。
尚、名称の由来は、昔は黒砂糖のみを使用し、長いままを茶席で亭主が客席にあわせて、切って供していたもので、色合い形状が牛蒡に似ていたからだと伝えられております。
説明にあるように、見た目が牛蒡っぽいためにこの名前が付けられたらしい。
「江戸時代の平戸の菓子」を読むと、百菓之図では「山椒羹」という名で記されているお菓子が現在の牛蒡餅に該当する製法であること、また昔は、武家では縁起物として新年に牛蒡を贈りあうならわしもあったことが書かれていた。
購入した牛蒡餅は旅行から帰って頂いた。
原料として使われているのは、上用粉(お米の粉)、三温糖、黒糖、芥子の実など。昔ながらのシンプルな材料で作られたお菓子なので、あまり日持ちはしない。
筆書きのラベルや竹の皮を使った包装も素敵。
古くからある牛蒡餅は茶色や白らしいが、今回買った「彩りあわせ本牛蒡餅」という商品には抹茶の入った緑色の牛蒡餅やピンク色の牛蒡餅も入っていて見た目も楽しい。
あっさりとしたやさしい味わいのお菓子だった。
(来訪日:2017/09/09)
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