シュガーロード紀行 平戸#003 閑雲亭と烏羽玉
松浦史料博物館の敷地内に、閑雲亭という茶室がある。
平戸藩最後の藩主だった松浦詮(あきら)公により鶴ヶ峰邸と同じ年に建てられたもので、今でも鎮信流のお稽古場として使われている。
これは閑雲亭のしおり。ここにも書かれているが、昭和六十年代に台風で一度倒壊してしまったが再建して今に至るとのこと。
釘を一切使わない特殊な工法で建てられているらしい。この日はまだ残暑の厳しい日だったが、この茶室の中は風が吹き抜けてとても涼しく快適だった。
ここではお茶と平戸のお菓子をいただくことが出来る。
お茶は史料博物館の職員の方が点ててくださる。お茶の作法がわからなくて不安だったが「お好きなように飲んでいただいていいですよ」とのことで安心した。
茶室の中に鎮信流のお茶の頂き方の解説書きもあった。
鎮信流ではお椀を回さず、まずお茶を一口頂き、次にお菓子、そしてまたお茶を頂く…といった感じらしい。
お茶の作法なども一通り知っていたらこういう場所でもまごまごしないんだろうなぁ、などと考えていたらお茶とお菓子が運ばれてきた。
お菓子はカスドースと烏羽玉のどちらか一品を選べる。今回は烏羽玉をいただく。
お菓子の載っている皿にも松浦家の家紋が入っている。
烏羽玉は黒胡麻入りの餡を求肥で包んだお菓子。表面には和三盆がかけてある。和三盆はとてもきめが細かくて、口に入れるとすっと溶ける。初めて食べたお菓子だったがとても美味しかった。
お茶とお菓子を頂いた後、茶室に置いてある印刷物などを見ていたら「東西百菓之図」の見本も置いてあった。お茶を点ててくださった職員の方にお聞きすると、これも資料館の売店で販売しているとのこと。
閑雲亭を出てもう一度売店に行き、東西百菓之図の2冊セットを購入して資料館を後にした。
(来訪日:2017/09/08)
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