シュガーロード紀行 塩田#007 佐賀地方の逸口香

シュガーロード紀行 塩田#007 佐賀地方の逸口香

塩田には、楠田製菓本舗という逸口香を専門で作っているお菓子屋さんがある。

塩田を訪れた際に立ち寄りたかったのだが、当日は時間が足りなくて実店舗まで行けなかった。
後日お取り寄せでこのお店の逸口香を入手することが出来たので食べてみたいと思う。

こちらが逸口香。
長崎地方の一口香 でも触れたが、同じお菓子だけど佐賀と長崎で名前の表記が異なる。

パッケージにも「佐賀県産小麦粉100%使用」と書いてある。

その他の原材料を見てみると黒糖、水あめ、膨張剤と至ってシンプル。

食べてみると、この逸口香はとてもサクサクしている。

逸口香(一口香)は、中に入っている黒糖の粘度のせいか、ちょっとねっちりした独特な食感のものが多いのだが、楠田製菓本舗の逸口香はねっちり感があまりなくサクサクした食感だった。

また、ショウガが入っていないのでクセの少ない味。
個人的には、これまで食べた中で一番美味しい逸口香だった。


以前撮っておいた長崎地方の一口香と大きさを比較してみたい。

左が長崎 雲仙のマルソウの一口香、大きさは約4~4.5cm、
右が楠田製菓本舗の逸口香、大きさは約8cm

佐賀の逸口香が長崎の一口香より大きくなる傾向があるそうだが、特にこの楠田製菓本舗のものは、逸口香界で最大の大きさらしい。


「肥前の菓子」によると、一口香は鹿児島や愛知の知多地方にもあるとのこと。
鹿児島は地理的にまだ近いので奇異な感じはしないが、九州から遠く離れた知多でもつくられているのは面白い。そして、この知多の一口香はサイズがとても小さく、一口大らしい。

また愛媛にも、一口香の親戚のような「唐饅頭」というお菓子が存在する。こちらは小判状の形で平べったく、中には柚子味の餡が入っているとのこと。

どうやってこれらの場所に伝播していったのか、形や味の違いはなぜ生まれたのかを考察してみるのも面白いかもしれない。