シュガーロード紀行 唐津#001 菜畑遺跡

シュガーロード紀行 唐津#001  菜畑遺跡

※註
今回の唐津と以降に取り上げる福岡・博多は、旧唐津街道上にあり長崎街道からは外れるのだが、この二つの街道は所々で交差し距離的にも近い。また、その地を代表する銘菓もシュガーロードや異国の文化の影響を少なからず受けたものであるため、この紀行でも取り上げることにした。


博多から筑肥線に乗って約1時間半、唐津にやって来た。

まず訪れたのは菜畑遺跡。
この遺跡は昭和54年、道路工事中に偶然発見され、その後調査や整備が進められた。

現在見つかっている遺跡の中では日本で一番古い水稲耕作遺跡(2500~2600年前 縄文時代後期)で、国の史跡にも指定されている。


敷地内には遺跡の出土品を展示する施設「末盧館」も建てられている。
末盧館という名前は魏志倭人伝に出てくる「末盧国」(まつろのくに:現在の唐津市および周辺にあたる地域にあったと考えられる)からつけられた。


現在遺跡のある場所はかなり海から離れた所だが、当時はすぐそばに海岸線があったと考えられている。

ここでは住居跡や水田跡、甕棺墓、貝塚などが発掘された。
館内には、遺跡から見つかった炭化し真っ黒になった日本最古の籾米も展示されている。

展示パネルの説明にあったが、稲作は現在の中国南部で発祥し、海を越えて北部九州の玄海灘沿岸地域に伝播して、徐々に日本列島を北上するように広まっていったそう。

遺跡内に復元された水田では毎年古代米の栽培・収穫が行われている。

写真からもわかるように水田はかなりこじんまりしたサイズ。収穫量はあまり多くなさそうだが、この時代は狩猟・採集も行われていたので、コメはまだ主食になる以前でもあり様々な手段で得られる食料のうちの一つという位置付けだったのだろう。


敷地内には竪穴式住居も復元されている。周囲を囲む木立も縄文時代の森を復元したものらしい。

(来訪日:2018/07/06)